井の中の蛙は大海を知る必要があるのか

 井の中の蛙大海を知らずということわざをご存知でしょうか。これは、荘子という紀元前に活躍していた中国の思想家の外篇の中の秋水篇の文章の一部からとったことわざです。

 下のリンクに原文ではなく、訳が載っていました。時間が許すのであれば是非読んでみてください。井の中の蛙の部分以外にも素晴らしい考え方が載っています。何千年も前に既にこのような考え方をしている人がいるのはとても驚きました。少し調べてみて、故事成語に少しだけ興味が湧いたので、中国古典名言辞典なるものを購入してみました。他にも興味が湧く言葉などがあれば紹介します。

荘子第十七(1)

これに対して,北海の若(じゃく)(海洋の精)は答えた,「あなたが井の中の蛙に海洋のことをわからせることはできないのは,蛙がいる住みかがごく狭いからだ。あなたが夏の虫に,氷のことをわからせることはできないのは,その一生がごく短いからだ。あなたは知ったかぶりの者どもに道(タオ)のことは語れない,それは彼らの知識がごく狭いからなんだ。しかしあなたは今,狭い居所から飛び出してきて,大きな海洋を目のあたりにし,自分のつまらなさを自覚した。だからわしはあなたに大いなる道について語ろう。 

 上記サイトから一部引用してきました。この部分の「あなたが井の中の蛙〜」から作られたことわざが井の中の蛙大海を知らずだそうです。井の中の蛙が海のことを知らず、見ている世界も狭いことから転じて、広い世界があることを知らず、今の自分の住んでいる世界が全てだと思い込み、見識や知識に乏しく、大局的な物の味方が出来ず、得意げになっているという基本的には悪い意味で使われることが多いと思います。

 しかし、私はそもそも井の中の蛙が大海を知る必要はないし、上記にあるような夏の虫が氷を知る必要性もないと思います。むしろ知る必要性が出てきたり、実際に学ぶ必要が出てきた時に新しい知識を学んだり、視野が広まるのだと思います。井の中の蛙にとっての海や夏の虫にとっての氷に相当する物がもしかしたら、私たちにもあるのかもしれません。しかし、その海や氷に相当するものを知って幸せになれるかどうかは人それぞれではないでしょうか。自分が一番すごい、自分が一番幸せだと思ってる人にとっては水を差す行為かもしれません。海や氷に相当するものを教えられたところで理解できるとも限りません。例えば、実際はどうなっているのかは知りませんが、仮に宇宙の外側に何かがあるとして、それがいかに壮大なものかを説かれたところで、理解できないでしょうし、何割かの人を除けばそんなことは幸せな生活をしていく上でどうでもいいことではないでしょうか。

 例えば、私に当てはめてみても、今でこそ故事成語の辞典を買ってみようなどと思いますが、大学受験の時は漢文なんてあまり好きではありませんでした。また、今では医学、数学、英語、プログラミングどの勉強をしていても楽しいですが、高校以前はやらなきゃいけない、将来必要になるのはわかっていても決して楽しいとは思えず、本当に苦痛でした。どうせやらないのであれば、変に将来のことを気にせずに、受験勉強なんてどうでもいいと思えていれば、その当時をもっと楽しめたのかなとも思います。

 確かに視野を広くして大局的な判断をすることは大切です。しかし、言うは易く行うは難しです。未来なんて遠い未来であればあるほど、不確定要素が多すぎますし、わからない部分が多すぎて、大局的に判断したところでその通りになるかどうかなんてわかりません。大局的な判断をした結果が良かったのかどうかは結局時が経つまでわかりません。正解かどうかなんて結果論でしかないかなと思います。

 ここで、蛙や夏の虫の話に戻ります。蛙も夏の虫も 海や氷を知る必要があるでしょうか。もっと言えば、海や氷を知ることで蛙や夏の虫は幸せになれるでしょうか。

 井の中の蛙になると言うことは確かに一般的に悪いとされる側面もあります。慢心が生まれるでしょうし、成長も止まるのかもしれません。

 常に成長を続けていく人生だけが幸せなのでしょうか。本人が満足しているのであれば、幸せなのであれば井の中の蛙だろうと水を差すような事は野暮なことなのではないかと言う思いが少しあります。

 私は、人生において最も大切なことは本人が幸せだと感じることだと思っています。ここで大切なのは、周りから見てどれだけ不幸に見えても本人が幸せだと感じていればいいのではないかと言うことです。私なんかは普通の人なので、荘子や現代に生きる卓越した方々のような考え方を持つことはできません。そうした方々から見たら他の人が井の中の蛙に見えることもあるでしょう。

 ただ、井の中の蛙には蛙の幸せがあります。周りになんと言われようと、井の中の蛙であっても幸せだと感じているなら、無理に井の中から出る必要もないですし、大海を知る必要もないんじゃないかなと思います。

 

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